ロードマップ
- 第一巻『銀球にて(仮)』On the Silver Globe
- 序章「月から来た手稿(仮)」A MANUSCRIPT FROM THE MOON...←ここ。
- 手稿パート1「旅行日誌(仮)」TRAVEL DIALY
- 手稿パート2「月の裏面にて(仮)」ON THE OTHER SIDE .
- 手稿パート4「新世代の中で(仮)」AMONG THE NEW GENEREATION
- 第二巻『征服者(仮)』The Conqueror
- 第三巻『古き地球(仮)』The Old Earth
前エントリのとおり、《月三部作》の英訳版の合本版電子書籍を購入。読み始めた。まずは第一巻の序章、「月から来た手稿(仮)」。
長さは――Android版Kindleアプリを6インチ級スマートフォンの画面で表示し、マージン最小、文字サイズ最小にして――約13ページ。
内容:西暦2000年ごろ(*1)に試みられた人類初の月探検が失敗に終わってから約50年後、隕石を収集していた天文学者助手が月からの通信筒――全滅していたと思われていた探検隊の生き残りが発射したもの――を入手し、解読して発表する。
典型的な枠物語の形を取っているところが実に20世紀初頭のクラシックらしくて良い。
文章や内容からは独特の緊迫感とエネルギーを感じる。本編への期待を高める優れた序章である。
文体は良く言えば明快で端正、悪く言えば生硬。ポーランド語原文がそうだからその味を保ったまま英語に翻訳した結果こうなったのか、英訳者自身の文体が出た結果こうなったのかは不明。いずれにしても非母語話者からすると比較的読みやすい英語ではある(一文が複文や修飾で長くなりがちという量的問題はあるが、質的には読みやすい)ため、ありがたい。機械翻訳(*2)も駆使しながらであれば日本語の1割くらいの効率では読み進められる。
続きもどんどん読んで行きたい。
なお、製品としてのこのKindle(*3)電子書籍は品質が劣悪である。邪推するに真っ当な電子化のプロセスを辿っておらず、紙の本をOCRして不十分な補正しか掛けていないもののようだ。根拠は
・行に余裕があるし文の終わりではないのに改行がされていたり、
・行末でないのに単語がハイフンで分断されていたり、
・ページに余裕があるのに改ページがなされていたり、
・目次に載っている章と乗っていない章があったり、
すること。とにかく尋常ではない。まともな出版社のやることとは思えない。最悪、問題が改行と目次絡みだけなら情報の欠損は無いと言えなくもないので許容できなくもないが、この調子だと誤字や脱字や乱丁落丁があるのではないかと不安になる。……この物価高の時代に長編三冊合本が千数百円とはやけに安いと思ったが、安かろう悪かろうと言わざるを得ない。倍、いや三倍出しても良いのでまともな形で売ってほしい。
*1 ジュール・ヴェルヌの没後約100年と記されている。ただし、本作が発表された1903年当時ヴェルヌはまだギリギリ存命であったため(もう長くはないという共通認識があったのだろう)、1903年+数年+百年というつもりで書いたのであろう。
*2 みらい翻訳を主体に、DeepLも併用。これまで圧倒的みらい翻訳派だったのだが、みらい翻訳だと難しい(?)修飾節が勝手に削られることがあると気付いたので。
*3 日本向けサービスでは他に楽天Koboでも本書の取り扱いがあるが、実質的には同様の模様。察するに同一のソースを使用しているのであろう。
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