訳 竹中晴三
主権者教育委員会 1984年
恥ずかしながら
白木茂の『ノンフィクション論』での言及により初めてJames Baldwinの"Fifty Famous Stories"の存在を知った。どうやらその書物は往年の読書子にとっては基本中の基本だったらしい(他責的で申し訳ないがこれは戦後教育と戦後出版界の定見の無さにも責任があるのではあるまいか)。
そこで邦訳を探したところ、国会図書館デジタルコレクションで本書を発見したので読んでみた。ただし巻頭言によると本書は"Fifty Famous Stories"そのものではなく、それ及び続編の"Thirty More Famous Stories"の計80話から50話を抽出したものであった。
で、児童書ということもありパパっと通読。知っている話もあれば知らない話もあった。面白い話もあれば全く興味を惹かれない話もあった。概して古代ギリシャ・ローマ関連の逸話は別典拠により知っており、なおかつ興味深い話が多かった。逆に中世・近世イングランド関連は知らないし知らなかったことを悔やむ必要もなさそうなつまらない逸話が多かった(英語圏国民にとっては興味が持てるのだろうか?)。結果的にさしたる新しい発見は無く、これまで基本中の基本を履修していなかった弊害はほとんど無かったことが判明して安堵した。