まあまあ面白かった。多少センスがある読者(またはヴェルヌの主要作品を予習している読者)ならオチが予想できてしまうのが難点とも言えるが、そこも含めてヴェルヌ流の大時代で大らかな寓話的ユーモアものとして捉えれば悪い作品ではない。
ただ惜しまれるのは全体的に薄味と言おうか、書き込みが今一歩足りないことだ。大別すると次の3点。
・テーマ性。ゴドフリー青年が恵まれ過ぎた文明社会での生活を離れ、無人島生活で心身ともに成長を遂げる描写があっさりし過ぎているように感じる。(*1)
・蘊蓄不足。北太平洋の生物相についてヴェルヌらしい教育的蘊蓄がもっと欲しかった。
・無人島生活のテクニックをもう少し詳しく書いて欲しかった。『二年間の休暇』や『神秘の島』と比べるとあまりにもあっさりし過ぎている。
そのせいで、せっかくの優れたコンセプトが活かされ切っていない――骨は頑丈なのに筋肉は貧弱なアンバランスな動物を思わせる――のが惜しまれる。うまく行けばヴェルヌ作品の中でも中堅以上の立ち位置を占められたと思うのだが…
とにかく楽しく読めた。機械翻訳を無償で使わせてくれる各社と、古典の原文を無償で公開してくれる篤志家に深く感謝する。
*1 機械翻訳主体で読んでいるので細かいニュアンスが読み取れていない、すなわち私が悪いという可能性はある。
第十四章 Dans lequel Godfrey trouve une épave à laquelle son compagnon et lui font bon accueil(ゴドフリーは漂着物を発見し、彼と相棒はそれを歓迎する)
梗概:ロビンソン生活に慣れてきた彼らは生活を徐々に改善する。そんなある日、ゴドフリーは浜辺で防水性の櫃を発見する。その中には衣料、什器、工具、火器、その他無人島生活にはもってこいの物品が入っていた。
第十五章 Où il arrive ce qui arrive au moins une fois dans la vie de tout Robinson vrai ou imaginaire(現実のロビンソンか想像上のロビンソンかを問わず、人生で少なくとも一度は起きる出来事)
梗概:漂着物のお陰で生活はさらに改善する。そんなある日、ゴドフリーは沖合に蒸気船を視認する。蒸気船は2マイルまで近づくも、ゴドフリーに気付かずに去ってしまう。
第十六章 Dans lequel se produit un incident qui ne saurait surprendre le lecteur(読者を驚かせることのない事件が起きること)
梗概:一艘のアウトリガー付きカヌー(またはプラウ船)に乗って野蛮人の一団がやって来る。ゴドフリーとタートレットは身を隠す。
第十七章 Dans lequel le fusil du professeur Tartelett fait merveille (タートレット教授の小銃が大戦果を上げること)
梗概:翌朝、武装して偵察に出かけたゴドフリーとタートレットは、十一人の野蛮人が一人の若い野蛮人を焼き殺そうとしているのを発見する。ゴドフリーとタートレットは火器を活かして襲撃を行い、若い野蛮人を助ける。他の野蛮人たちは船で撤退する。
第十八章 Qui traite de l’éducation morale et physique d’un simple indigène du Pacifique(太平洋の素朴な原住民の道徳的・身体的教育)
梗概:若い野蛮人、カレフィノトゥ――人種的にはポリネシア人ではなく黒人のようだ――はゴドフリー及びタートレットとの生活に馴染む。ある日、カレフィノトゥが灰色熊を発見し、ゴドフリーはそれを撃ち倒す。
第十九章 Dans lequel la situation déjà gravement compromise se complique de plus en plus(すでに深刻な状況が、さらに複雑になること。)
梗概:彼らは熊に用心して日々を過ごす。そんなある日、ゴドフリーとカレフィノトゥは虎に遭遇し、銃撃と白兵戦の末に虎を川に落とすことに成功する。
第二十章 Dans lequel Tartelett répète sur tous les tons qu’il voudrait bien s’en aller(タートレットは百万言を費やして自分が島を離れたいと主張すること)
梗概:彼らは住居を要塞化する。そんなある日、また煙を目撃したゴドフリーはカレフィノトゥを伴って偵察に行く。彼らは燃えカスを発見するが人間は影も形もない。帰り道、彼らは毒蛇に遭遇し、退治する。そして住居近くまで帰り着いた彼らはタートレットがワニに襲われている光景に出くわし、間一髪でワニを仕留める。
第二十一章 Qui se termine par une réflexion absolument surprenante du nègre Carèfinotu(黒人カレフィノトゥの驚くべき発言で終わる章)
梗概:(ネタバレになるので書かずにおきます。)
第二十二章 Lequel conclut en expliquant tout ce qui avait paru absolument inexplicable jusqu’ici(これまで説明不能だった全てが説明され、物語は締めくくられること)