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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

ライマン・フランク・ボーム『オズのブリキの木樵り』感想

早川書房版。『オズ』復習14冊目。

この巻は少年時代に明確な意思を持って――ブリキの木樵りが昔の人間関係を清算するというテーマに興味を惹かれて――読んだことを明確に覚えている。まあまあ面白かった印象を覚えているのだが、今回久しぶりに再読してみて同様にまあまあ面白かった。

他の巻と同様の欠点はそこかしこに見られるが比較的軽微だし、はっきりしたテーマがしっかり描き切られているのが良い。また、身体部位を徐々にブリキに取り換えて行ったニック・チョッパ(やファイター大尉)は本当に本人なのか、また廃物利用で作られた再生人間は何者なのかという問題提起が非常に興味深い。

総合的に見て、1巻を除くオズ・シリーズの中ではかなり上位に位置する作品と言って良いだろう。
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