W・フェルナンデス・フローレス『七つの柱』感想

【経緯】
何となく《地球人ライブラリー》の目録を見ていたら、再読したくなり（昔々一度だけ読んだ記憶あり）、図書館で借りてきた。

で、読んでみたところ内容にほとんど全く覚えがなくて驚いた。前回の時は、冒頭、隠者と魔王の出会いの部分しか読まずに放棄していたにも関わらず、長年の間に記憶が美化されてきちんと読んだつもりになっていたようだ。

【感想】
この着想は狭義のサイエンス・フィクションと呼んでも差支えがない。戦間の作品であることも考えれば実に見事なものだ。まあ、生粋のエンターテイメントSF読者にとっては超自然が出てこない中盤がただただ退屈としか思えないのだが、文学作品なので仕方なかろう。

《地球人ライブラリー》は本当にセンスが良い（ラインナップのセンスが抜群に良い。装丁や翻訳も悪くない。巻末の読書案内も良い。一体どこのどなたが編集したのだろう）と改めて思い知った。