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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

ジョン・ノーマン『ゴルの神官王』感想

第三巻。蔵書より。一・二巻に続きだいぶ久しぶりに再読。

どうもアンビバレントな巻だ。質的・量的に充実したシリーズ初期のハイライトとも言えるかもしれないが、結局
・神官王の正体は、大型の(人よりだいぶ大きい)社会性昆虫型宇宙人。
・これまでの出来事はみな神官王一族の後継者争いの代理戦争。
という真相が陳腐で卑小にも思える(*1)。

そして、ここでシリーズを終わりにしなかったのは大きな誤りだったと思う。日本語に訳された六巻までを読んだ限りでは(*2)結局テーマ性のない惰性的な凡作に落ちぶれてしまったのが残念だ(*3)。邪推だが、本巻の中途半端さもそこに起因するのではあるまいか。つまり本巻は本来最終巻にするつもりで書き始められたところ、構想を変えて終わらないようにしたためちぐはぐな出来になったのではないかと私の直感は告げているのである。


*1 何かの暗喩なのだろうか。
*2 いや、飽きて五巻くらいでやめてしまったんだったか?
*3 その先で盛り返している可能性を否定はできないが…
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