忍者ブログ

プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

ウィリアム・モリス『ジョン・ボールの夢』感想

ウィリアム・モリスの著作の中には『ユートピアだより』以外にも空想小説があるとは聞いていたが、邦訳があるとは知らなかった。ようやく気付いたので取り急ぎ一番面白そうなのを読んでみたものである。

なかなか興味深く読めた。むしろ『ユートピアだより』(ユートピア小説の典型的な欠点に満ちている)よりもよほど出来が良く、読ませる。そして併録された短編『王様の教訓』にも考えさせられた。彼ら19世紀の社会主義者が提起した問題はーー20世紀における共産主義者たちの悲惨な大失敗を経てーー21世紀初頭現在まったく解決の目算が立っていない。人類が不平等を脱する日は来るのだろうか? たぶん自力では無理だろうから“モニター”(*1)か“ヒューマノイド”(*2)の来襲に期待したい。“オーバーロード”(*3)でもいいぞ。

*1 キース・ローマー『優しい侵略者』
*2 ジャック・ウィリアムスン『ヒューマノイド』
*3 アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』
PR

コメント

プロフィール

HN:
匿名(仮称:プロジェクト・サイラス・スミス管理人)
性別:
非公開

P R