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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

チャヤーノフ『農民ユートピア国旅行記』感想

書名:農民ユートピア国旅行記
著:アレクサンドル・チャヤーノフ
訳:和田春樹・和田あき子
レーベル:晶文社セレクション
出版年:1984年(原著:1920年)

昔々――学生時代――一度だけ読んだものを再読。

やはり小説としては――ユートピア小説の通例であるが――特に面白くはない。着想や思想に面白い点があるかと言うと、理解できた限りではあまりそうとは思えない。と言うより、発表された時点のその界隈では意味があったがその範囲を少しでも外れると意味がなくなる類の著作物だと察せられた。

ただ、あまり理解していないながら言うと、この人はボリシェヴィキよりは人柄や頭が良さそうだ。この人の派閥が天下を取っていれば世界の歴史ももう少し平和で穏便に推移したのではなかろうか。ソ連では、最も良い人ではなく、最も賢い人でもなく、最も政権掌握力に長けた人々が政権を掌握したのだなあ、と自明な事実が改めて腑に落ちた。
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