原題:King Arthur and His Knights of The Round Table, 1953
著:R・L・グリーン (R. L. Green)
訳:厨川文夫・厨川圭子
レーベル:岩波少年文庫
初版:1957年
お前は何十年間読書家をやっているのかと問い詰められたら何も言い返せないのだが、アーサー王伝説の本をまともに読んだのはこれが初めてである――『アーサー王宮廷のヤンキー』が愛読書であるにも関わらず、である。本当に愚かだった。なお今回は福音館書店古典童話シリーズの『アーサー王と円卓の騎士』か本書か迷ったのだが、目的が作品を鑑賞するというより教養として作品の梗概を知ることであるため、よりページ数が少ない(訳者解説によると「23話中7つを省いた」とのこと)本書を選んだのだが、特に支障は感じなかった。
これでようやくアーサー王伝説が大筋で分かった。そういうことだったのか。
そしてこの、神秘と不条理とロマンティシズムの奇怪な混合ぶりは実に興味深い。ハックルベリー・フィンが”日曜学校的”と表現するのも止む無しと言えるが、トム・ソーヤ―がこの世界観(誤用)に惚れ込んでしまうのも分かる。
これでようやくマーク・トウェインのいくつかの作品が分かった。
やはり最低限の古典は(最悪、児童向け抄訳で良いので)なるべく早くに読んでおくのが得策だと、何百回目かに思い知った。