むかし一・二回は図書館で読んではいるが、国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能になっていることに気付いたのを機に再読した。
●アンダースン&ウォルドロップ『明日の子供たち』
小説として悪くはないが、長編版の『たそがれの地球』の存在を知った上で読むとどうしても本作だけではSFとして不完全に感じる。
●ビクスビィ『きょうも上天気』
特に好みではない。
●フォレスト・J・アッカーマン『だんまり』
英語の慣用句をネタにしたショートショート。さほどの作品ではない。
●フレデリック・ポール『蟻か人か』
今一つ主旨が分からない。せっかくのタイム・マシンは最終戦争を防ぐために使えば良かったのではないか?
●マーク・クリフトン『征服者』
このアンソロジーの白眉。もし人類が有史以来初めての世界平和を実現するとしたら、このようなシナリオかもしれない。
マーク・クリフトンと言えば『ボシイの時代』と『思考と離れた感覚』しか読んでおらずどちらもピンと来ていなかったのだが、本作でようやく良さが分かった。もっと読んでみよう(しかし邦訳が少ないな・・・)。
●ファーリィ『液体生物』
これは国土社の『液体インベーダー』でジュブナイルとして馴染んでいた作品。国土社版も本書版もほとんど変わらないようだ。古き良き怪物もののサイエンス・フィクション。
●オールディス『終わりなき午後』
予備知識なしで読めば良い作品と思えるのかもしれないが、『地球の長い午後』を先に読んでいるとどうしてもテーマ性の無さが気になってしまう。
●テリー・カー『オジマンディアス』
正直よく分からない。
●シルヴァーバーグ『記憶の呪縛』
これは良きSF小説だ。地味だが、ミュータントものSFのマスタピースかもしれない。シルヴァーバーグはこういうのも書けるのか。
●ラファティ『日の当たるジニー』
ラファティは好きなのだが、ピンと来ない作品もしばしばある。本作もその一つ。
●ブリッシュ『分水界』
さほど面白くない。姉妹編の『表面張力』はまだしも面白かったのだが。