国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能になっているのに気付いたので目次を見てみたら、読んだことがなかったであろうことが分かったので読んでみた。
●リチャード・マシスン『機械仕掛けの神』:マシスンらしい、恐怖小説とSF小説を両立した良作ではある。
●ロバート・ブロック『禿げ頭の蜃気楼』:同じくブロックらしい恐怖小説とSF小説の二兎追い作品だが、凡庸。
●フレドリック・ブラウン『星ねずみ(スター・マウス)の冒険』:まさかあの『星ねずみ』に続編がありなおかつ邦訳されているとは全く知らなかった。不勉強を恥じる。本作こそが本書のハイライトと言える。
しかし内容的には期待に沿うほどではなかった。悪い作品だとは言わないが、どうしても名作を凌ぐほどの作品とは思えず、蛇足と思えてしまう。残念だ。
●アシモフ『赤の女王のレース』、レナルズ『漫画の怪物』:他にも邦訳があるのでパス。
●P・K・ディック『地底からの侵略』:地底の超人と地上の野蛮人、どちらが「人間」なのか? 不安感を伴う独特のセンス・オブ・ワンダー。ディックの持ち味が活かされた良作と言えよう。
●チャールズ・ボーモント『美しき幻影』:問題提起的だが、それがやや消化不良で終わっているように感じられる。
●クリス・ネヴィル『霧の夜の出来事』、ブラッドベリ『海中の監視者』:興味が持てずパス。