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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

フリント『死の王と生命の女王』感想

ホーマー・イオン・フリント
久保書店Q-TブックスSF
1974年

昔々(おそらく小学生末期~高校生初期)図書館を利用して一・二度だけ読んでいたが、国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能になっていることに気付いて久しぶりに再読してみた。

さほど面白くなかった記憶のある作品であるが、意外と楽しめた。1919年の作品ということで科学設定は極めて古いが、そのつもりで寛容になればむしろそれもまた味わいがある。どうやら若いころはそういう心境になるスキルが足りてなかったようだ。

惑星間航行、宇宙船建造という科学技術的話題については残念ながら掘り下げが浅いが惑星探検、ファーストコンタクト、そして「科学の発達と人体、社会、男女両性関係」といった社会科学的なテーマが追及されている先進性は評価したい。

しょうもない作品の多いQ-TブックスSFにあって、珍しく意義のある作品だと言えよう。

追記:巻末の解説(福島正実)で言及されている2編の続編がProject Gutenbergで「The Devolutionist and the Emancipatrix」として公開されていることに気付いた。そのうち読んでみよう。
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