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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

ル・グィン『失われた楽園』感想

アーシュラ・K・ル・グィンに世代型宇宙船ものがあると知って興味を持ち、それが収録されている『世界の誕生日』(ハヤカワ文庫SF 2037)を行きつけの図書館で借りてきた。

で、読んだのだが結論から言うとつまらない。宇宙船内で世代を経るうちに新興宗教がのさばってきたり、無線でしかうかがい知れないが地球側がそれ以上に奇妙に変容していることが匂わされたり……と着想に優れた点はいくつかある。世代型宇宙船ものに特有のあの不健全なワンダーも漂っていないわけではない。しかし根本的に「SFたろうとする意図」が欠如しているため、駄作にしか成りえないのは自明の理である。あと典型的な「勘違いした欧米人による取って付けたようなオリエンタリズム」が日本人から見ると白ける。

読んでいないし一生読む気もないが、ほかの収録作品も似たようなものなのだろう。

こういうのを安易にもてはやす風潮は良くないと思う――こういうのを本当に良いと思う人(おそらくごく少数だろう)がそうすることにはさほど文句はないのだが、どうせ大半は知ったかぶりの付和雷同野郎であろうからそれが良くない。誰かそういう輩どもをソーカル事件みたいな感じでおちょくって欲しい。
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