ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。
やや久しぶりにProject Gutenbergを見に行ったらGreg Weeksさんと http://www.pgdp.net の愉快な仲間たちが今度はInfinity誌の公開を始めた模様だと気付いた。ジャック・ヴァンスがあったりして実に素晴らしい。
それを機に久しぶりに少しだけ Books about Science fiction (sorted by release date) を見てみたら興味深い作品が目白押し過ぎて困ってしまった。何と言うか、英語圏のSFファンの活動の活発さ、それを支えるファンの層の厚さ、そして利他的な活動を良しとする文化――それも東洋的日本的な偽善的で感情的で得てして同調圧力に負けて嫌々やっている類のものではなく合理性を兼ね備えた真の利他――をひしひしと感じる。安易な日本嫌い野郎や安易な欧米盲信野郎は大嫌いな私だが、本当に羨ましく思う。
また、現在の読書速度(しかも機械翻訳でブーストされた速度)ではこの豊饒な沃野を全くブラウズし切れないであろうことが予測できて陰鬱になる。自分の才能と努力が足りないこともあるが、これだけ高い税金を払っているのに日本の語学(に限らない)教育の品質が極めて低いことに怒りを禁じ得ない。どうせ何の成果も得られないのだから形だけの公的教育はやめ、みらい翻訳の会社に公金注入でもすれば良いのに。
……とりあえずジャック・ウィリアムスンの"After World's End (1939)"という短い長編(もしくは長い中編)が最もピンと来たので、Yadatta+みらい翻訳で読み始めてみた。
2024/6/12追記 半ばまで読み進めたところで偶然別件でISFDBとameqlistを見ていて気付いた。"After World's End (1939)"はどうやらHPB版『航時軍団』に『地球崩壊の後に』として併録されているらしい! 「お前は何十年SF者をやっているのか」「お前はそれでもウィリアムスンのファンなのか」と問い詰められたら全く返す言葉がない。許されざる怠慢、許されざる無知だった(『宇宙軍団』はHPB版・文庫版両方読んでいるし持っているが、たまたま『航時軍団』は文庫版しか読んでいないし持っていなかったのだ。それにHPB版と文庫版でそこまで明らかに内容が異なる本は他にそうそう無いし…)。
というわけで近々入手して読んでみようと思う。