蔵書より。たまに読みたくなる本。久しぶりに再読。
「バローズ亜流」と表現してしまえばそれまでだが、これはこれで独特の味わいがある秀作である。
オーティス・A・クラインはどういう偶然か気まぐれか本書ただ一冊が翻訳(*1)されているので認知できたが、この作家一人の影には埋もれた作家が何十人もいるのではなかろうか。誰か発掘して欲しい。また、クラインの別作品も出来のいいやつを見繕って翻訳して欲しい。
追記:Project Gutenberg Aursraliaにクラインの作品が結構上がっていたことを思い出したので、随時読んで行こう。
*1 これまで創元版が元祖、久保Q-TブックスSF版がリプリントかと思っていたのだが、これを機に調べてみて逆だと気付いた。久保から創元とは珍しい(唯一の?)例だ。
2023/10/07 追記2:Project Gutenberg Australiaで本書の前日譚に当たる
The Swordsman of Mars を読み始めたのを機に、
The Outlaws of Mars も参照しつつ、軽く用語集を作ってみた。
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Vil ヴィル 王
Vildus ヴィルドゥス 皇帝
Movil モーヴィル 公子
Novil ノーヴィル 公女
Zovil ゾーヴィル 王子
Sovil ソーヴィル 王女
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Rad ラッド 男爵
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lorwock ローワック 砂漠に住む戦闘的種族の総称? 民族的というより文化的
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barb ハルブ 士官、下級士官 ※なぜ『火星の黄金仮面』で「バルブ」でなく「ハルブ」なのかは不明。誤植かと思ったら全箇所そうなっている。
jen ジェン 百人隊長 ※The Swordman of Marsでは世襲制のJenも出てきて、その場合は頭が大文字になる模様。
jendus ジェンドゥス 千人隊長
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gawr ガウル 乗用鳥(水空両用)。ただし「膜を広げて飛ぶ」旨が述べられており、地球の鳥類そっくりではないようだ。
dalf ダルフ 番犬用動物
rodal ローダル 乗用鳥(陸上用)。ただし、「鳥のようでもあり爬虫類のようでもある」旨が述べられており、地球の鳥類そっくりではないようだ。
histid ヒスティド 水棲のオオトカゲ
koree コリー 陸生(砂漠棲)の人喰い鳥。コルーとは近縁種。
koroo コルー 水生の人喰い鳥。コリーとは近縁種。
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senil シニル 月(年の十分の一)。ただしフォボスやデイモスの動きとは特に関係ない模様。
jahud ヤフズ 距離の単位。はっきりしないがkmかマイルか里か、その程度だろうか。
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Deza デザ神 主神の模様。
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pulcho パルチョ 刺激性飲料。ただし飲み過ぎると酩酊する。
puho プホ(仮) 刺激性飲料。ただし飲み過ぎると酩酊する。※パルチョの別名か。The Swordman of Marsにてパルチョと酷似した説明がなされている。
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tuzar ツザー 火星刺股。先端がヤットコ状になった長柄武器で、敵を生け捕りするために使う。
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カルシヴァー(Kalsivar)、ザンシバー(Xancibar)…国名は-(c|s)i(b|v)arかも? ただし、ナント(Nunt)のような国名もあるが。
デュコール(Dukor)、タッコール(Takkor)…国より小さい地理区分は-korかも?