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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

夢枕獏・野部優美『真・餓狼伝』感想

良き格闘漫画だった。

餓狼伝シリーズは板垣恵介の漫画版しか読んでいないし夢枕獏の小説もたぶん数えるほどしか読んでいないので、そういう観点からの鑑賞はできていない(*1)がそれでもなお一つの独立した作品として実に楽しく読めた。明治時代という「武が終わった時代」に、古流で講道館に挑む主人公丹波文吉の快進撃が実に心地よく、血を沸き立たせてくれる。

野部優美という漫画家の画力はさすがに全盛期の板垣恵介に比べれば一枚落ちるが、
・この物語を描くのに必要十分な水準には達している
・端正で癖がなく、その上でこの人なりの味がある
・物語と画風が適合している
ことから満足のゆくものであった。

全6巻という適度な長さ、完結していること、プロットに過不足や破綻がないこともまた本作の美点であろう。


*1 主人公の丹波文吉はたぶん餓狼伝の丹波文七の祖先なのだろう、という程度の推察しかできていない。
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