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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

ウォルハイム『One Against the Moon』感想

https://www.gutenberg.org/ebooks/50713
"One Against the Moon (1956)" by Donald A. Wollheim


ドナルド・ウォルハイムには『なぞの第九惑星』、『火星の月の神秘』、『土星の輪の秘密』に加えてもう一編のジュブナイルSF"One Against the Moon (1956)"が存在し、それがProject Gutenbergで閲覧可能なことはかねてから認知していた。しかし効率的に読む術がなく途中で放棄していた。今回はyadatta+みらい翻訳で読み直してみたものである。

結果、コンセプトは悪くないのだがさほど面白くなかった。『火星の月の神秘』や『土星の輪の秘密』よりはマシだが、『なぞの第九惑星』には全く及ばない。序盤――宇宙飛行を夢見る作業員の主人公が実験ロケットに密航して月に不時着する――は悪くないのだが、中盤――月の地下でのサバイバル――に説得力や魅力が無い。そしてソ連の宇宙飛行士と出会う終盤が唐突で強引に思える。

カバーイラストがヴァージル・フィンレイなのは興味深い。こういうジュブナイル向けの純朴な具象画も描いていたのか。
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