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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

波多野完治『ジュール・ヴェルヌ 空想科学小説の心理学』感想

国立国会図書館デジタルコレクションでたまたま見つけた、興味深い論考。『世界の児童文学』(国土社、1967年)のp425~445に収録。
心理面に関する考察が正しいかどうかは判断できかねる(しさほど興味もない)が、
・ヴェルヌが甥に撃たれたのは(これまで私が知っていた全ての資料では「理由は不明」とされていたのだが)金の無心を拒絶したのが理由
とか
・1890年代の作品群は駄作の多さから本人でなく代作者(たち)のものだと囁かれていた
・生前はヴェルヌ=ポーランド系ユダヤ人説が囁かれていた
・『気球に乗って五週間』がはじめは論文として書かれた
・かの有名な家出事件では、すぐにその身元を見抜かれて船での扱いは忖度されていた
・(ブリアンのモデルが実在の政治家アリスティード・ブリアンだと言われているが、正確には)ヴェルヌはアリスティード・ブリアンをその少年時代から知っており、少年時代の姿がモデルであること
などなど、さらりと述べられているファクトの多くが他の日本語資料では見られないもので、とても面白く読めた。
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