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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

ヴェルヌ『ごごおっ・ざざあっ』感想

ヴェルヌの短編「フリット=フラック」"Frritt-Flacc(1884)"が近年人知れず邦訳されていたことをつい最近認知し、それが載ったという謎の雑誌(?)「水声通信」のバックナンバー(No.27=2008年11月/12月合併号)を入手して読んでみた。

なかなか読ませる。『ザカリウス親方』や『オクス博士の幻想』とも共通する、幻想と教訓、そして一種異様な勢いに貫かれた優れた短編文学だ。ジュール・ヴェルヌって、ひょっとすると本当は本業の長編科学小説よりもこういう傾向の作品の方が得意なのではないか? (当然科学小説家としてのヴェルヌは偉大だし、私自身そういうヴェルヌのファンなのだが)この種の短編作品が数えるほどしか発表されてないのが惜しまれる。

A5版二段組のたった9ページに千円近くを投じてしまったが、価値ある読書体験だった(これでも正価よりはかなり安くなっていたし)。またこの号はジュール・ヴェルヌ特集号ということで他にも興味をそそられる記事が複数載っている。そのうち読もう。
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