読んだことのない号。たまたま安く入手した。
やや地味ながら良い巻だ。やはり1960年代のSFマガジンは輝いていたなあ…。
■『時は金』マック・レナルズ作、浅倉久志訳、金森達画
これはあちこちのアンソロジーで読んだことがある作品なので今回は見送る。
■『最後の爆発』エリック・フランク・ラッセル作、岡部宏之訳、金森達画
これは存在すら知らなかった作品。ラッセル好きなので楽しく読む。
ラッセル特有の人間ドラマが見どころであり、また侵略者たちの生態――自らはほとんど何も産み出せない、何もできない、寄生的なライフスタイル――が面白い。長さの割にオチが軽いのが唯一の欠点だとは感じる(後年のアンソロジー等に収録されなかったのはそこらへんが理由かもしれない)が、それを除けば良作だった。
■『惑星ゾルの王女』ニール・R・ジョーンズ作、野田昌宏訳、金森達・レオ・モーリー画
文庫で読んでいるので見送り。
文庫より前にSFマガジンに部分的に訳出されていたとは知らなかった。
■『新人アンダースン』ロバート・S・リチャードスン作、山高昭訳、中島靖侃画
科学者SF特集①。「世界有数の科学者が書いた異色SF三篇!」などと大上段に謳われているが、当然それほどのものではなく少々拍子抜けした。普通の状況で読めば普通のショートショートとして普通程度には楽しめたのだろうが。
そもそもフィリップ・レーサム/ロバート・S・リチャードスンは世界有数の科学者なのか?
■『グランド・セントラル駅』レオ・ジラード作、上田彦二訳、中島靖侃画
科学者SF特集②。
①でだいぶハードルは下がっていたので(レオ・ジラードなら本当に世界有数の科学者だし)、まあまあ楽しく読めた。アマチュアの余技としては充分なクオリティのショートショートと言えよう。
■『前頭葉』ノーバート・ウィーナー作、石原藤夫訳、中島靖侃画
科学者SF特集③。
②と同じく。
なお、石原藤夫が翻訳もやっていたとは初めて知った。
●『SFスキャナー』伊藤典夫
主にノーマン・スピンラッドの『The Men in the Jungle』(1967)が紹介されている。これに限った話ではないが、このコーナーで紹介されている作品――特に未訳の作品――はとても面白そうだ。
そこで少々調べてみたところ電子書籍がKindleで安価に販売されていたので、つい購入してしまった(文明の何たる進歩か!)。そのうち読もう。