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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

『S-Fマガジン 114号(1968年11月号)』感想

読んだことのない号。たまたま安く入手した。
やや地味ながら良い巻だ。やはり1960年代のSFマガジンは輝いていたなあ…。

■『時は金』マック・レナルズ作、浅倉久志訳、金森達画
これはあちこちのアンソロジーで読んだことがある作品なので今回は見送る。

■『最後の爆発』エリック・フランク・ラッセル作、岡部宏之訳、金森達画
これは存在すら知らなかった作品。ラッセル好きなので楽しく読む。
ラッセル特有の人間ドラマが見どころであり、また侵略者たちの生態――自らはほとんど何も産み出せない、何もできない、寄生的なライフスタイル――が面白い。長さの割にオチが軽いのが唯一の欠点だとは感じる(後年のアンソロジー等に収録されなかったのはそこらへんが理由かもしれない)が、それを除けば良作だった。

■『惑星ゾルの王女』ニール・R・ジョーンズ作、野田昌宏訳、金森達・レオ・モーリー画
文庫で読んでいるので見送り。
文庫より前にSFマガジンに部分的に訳出されていたとは知らなかった。

■『新人アンダースン』ロバート・S・リチャードスン作、山高昭訳、中島靖侃画
科学者SF特集①。「世界有数の科学者が書いた異色SF三篇!」などと大上段に謳われているが、当然それほどのものではなく少々拍子抜けした。普通の状況で読めば普通のショートショートとして普通程度には楽しめたのだろうが。
そもそもフィリップ・レーサム/ロバート・S・リチャードスンは世界有数の科学者なのか?

■『グランド・セントラル駅』レオ・ジラード作、上田彦二訳、中島靖侃画
科学者SF特集②。
①でだいぶハードルは下がっていたので(レオ・ジラードなら本当に世界有数の科学者だし)、まあまあ楽しく読めた。アマチュアの余技としては充分なクオリティのショートショートと言えよう。

■『前頭葉』ノーバート・ウィーナー作、石原藤夫訳、中島靖侃画
科学者SF特集③。
②と同じく。
なお、石原藤夫が翻訳もやっていたとは初めて知った。

●『SFスキャナー』伊藤典夫
主にノーマン・スピンラッドの『The Men in the Jungle』(1967)が紹介されている。これに限った話ではないが、このコーナーで紹介されている作品――特に未訳の作品――はとても面白そうだ。
そこで少々調べてみたところ電子書籍がKindleで安価に販売されていたので、つい購入してしまった(文明の何たる進歩か!)。そのうち読もう。
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