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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

ウェルマン親子『シャーロック・ホームズの宇宙戦争』感想

蔵書より、久しぶりに再読。

やはり面白い。『宇宙戦争』、『水晶の卵』、〈ホームズ〉シリーズ、〈チャレンジャー教授〉シリーズのパスティーシュとして超一流であり(*1)、四つの作品が完璧な相乗効果を上げている。この種の作品の最高峰と言っても過言ではなかろう(*2)。

マンリー・ウェイド・ウェルマンはあまりにも日本のSF界で軽視され無視されている。SFの長編の邦訳は本書を除けば『ルネサンスへ飛んだ男』と〈キャプテン・フューチャー〉シリーズの『小惑星要塞を粉砕せよ!』しかない。短編の紹介も極めて散発的だ。嘆かわしい。出版社、翻訳者、エヴァンジェリストたちの責を問いたい。


*1 当方、シャーロッキアンとしては初心者の域を抜けていないので、ホームズのパスティーシュを評価する資格は本当はないのだがご勘弁願いたい。
*2 あえて一つだけ言わせていただくと、プロットの都合上ワトスン医師がウェルズおよび『宇宙戦争』を批判する流れがあり、原典へのリスペクトが足りないようにも思えるのが残念である。
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