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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

グリンネル『百万年後の世界』感想

特に理由は無いが久しぶりに再読。

やはりなかなか面白い。バランスの良さ、丁寧さ、文学性と言った観点でグリンネル名義の邦訳長編の中では最も優れており(と言うより『時間の果て』と『運命号の冒険』が粗雑なのだが)――いや、ウォルハイム名義を含めても『なぞの第九惑星』と肩を並べるほど優れており――、ハヤカワ文庫SF初期らしい香気もあって忘れがたい佳品に仕上がっている。

ところで柴野拓美による後書き「作者について」によると
この名前による作品には、本書のほか"Edge of Time", "Destiny's Orbit", "Destination Saturn", "The Martian Missile"などがあり、いずれも近いうちに、本シリーズで訳出される予定になっている。(p.247)
とあるが、全て空約束に終わっているのが惜しまれる(いや、他社が果たした分は結果的にそこまで惜しくもないのだが)。ひょっとして本書が期待したほど売れずに企画が潰れたのだろうか。早川書房は今からでも遅くないので約束を果たしてほしい。
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