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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

タッカー『明日プラスX』感想

『静かな太陽の年』に続き、ずいぶんと久しぶりに再読。

記憶していたとおり、『静かな太陽の年』よりはストレートな作りで楽しめた。そして新たに(今さらながら)気付いたが、この二作は「タイム・マシン」及び「近未来のアメリカ合衆国の行く末」を題材にしているという意味で兄弟のような関係にある。そうでありながらフレーバーが大きく異なるの作者タッカーが若かったか老成していたかの違いだろうか。

ともかく、怪しげな極右政党がめきめきと力を付けつつある近未来のアメリカ――2024年現在から見れば過去になってしまっているが!――を舞台に、その政党の関係者ばかりを狙った連続爆破事件を追う刑事を主人公にして物語をスリラー仕立てで進めるコンセプトは悪くない。また全体に漂う独特の雰囲気は悪くない。

主人公の人物像に魅力が無いしその行動に必然性が感じられないこと、取って付けたようにギルバート・ナッシュが登場すること、SFとしてスケールが小さいこと…など欠点も目立つのが惜しまれる。
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