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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

ハインライン『獣の数字』『ウロボロス・サークル』感想

ここ数週間のハインライン復習の流れで再(*1)挑戦してみたのだが、やはりどちらも読むに堪えない愚作だと確信を持った。何一つ良いところがない。前者は1割程度、後者は2・3割程度で投げ出してしまった。

これ、本当にハインラインが書いたのか? 少なくともプロが書いたのか? 『宇宙大作戦』における「メアリー・スー」の類にしか見えない。過去の名作という貯金を浪費するだけならまだしも過去の名作を汚している。

これらを「ハインラインが成長・進歩した結果の、従来より格段にレベルの高い創作物」だとか「理解できないのは頭が悪いからだ」などと主張するのは簡単なことだろうし気分の良いことだろう。しかし私は敢えて主張しよう。これらはハインラインが老化・退歩し、プロとしての技量も矜持も失った結果の、従来より格段にレベルの低い創作物だ。理解できたと謳っている輩は知ったかぶり野郎だ。

根本的な欠点もそうだが、細かい欠点も目に付く。例えば随所にたっぷり出てくる「ウィットに富んだ会話」。全くウィットに富んでいない。むしろ共感性羞恥を感じる。『ウロボロス・サークル』に出てくる日本文化や日本人も、日本人から見ると嘘臭くて白々しく哀れみを覚えると言わざるを得ない。

*1 たぶん学生時代に一・二回は読もうと試みてはいたが落伍していた。
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