わけあってキャプテン・フューチャーについて調べていたら、興味を惹かれる創作物を知った。Rick Brooksという人物(*1)によるキャプテン・フューチャーの非公式(?)な続編小説と言おうか完結編
『GROW OLD ALONG WITH ME』である。
徹夜明けという特殊なテンション、あまり期待せずに読み始めたというセッティングのせいもあるかもしれないが、これが実に良かった。これほど良い読書体験は何年ぶりだろうか。原典に対する深いリスペクトを感じさせるのはただの必達要件だとしても、ハミルトンの抒情的な面(それはキャプテン・フューチャー・シリーズにおいてもしばしば顔を見せる)を見事に再現しつつ、そして公式的には終わりらしい終わりが描かれなかったフューチャーメンたちの物語に納得のゆく終止符を打つことに成功している。大満足だ。
英文が平明で、ほとんど辞書も引かず機械翻訳も走らせずに一気に読み通せたことも、最大限に作品を堪能できた要因であろう。キャプテン・フューチャー愛読者ならぜひとも一読をお勧めしたい。
*1 全く聞かない名前だが、
ISFDBに同名の人物のエントリがある。同一人物だとすれば、20編ほどの短編を発表している、一応プロ作家のようだ。