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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

『地底旅行』のハンスは言語障害なのか?

『地底旅行』の名脇役、案内人ハンス。興味深いキャラクターであるが、今回着目したいのは彼の極端な無口ぶり、より正確には彼の数少ないセリフの大半が「一語文」であることだ。

これまではハンスを単なる奇人変人、すなわち「極端に口数の少ない人」だと思っていた。しかし(アイスランド語は全く分からないが)冷静に考えてみると「一語文しか発さない人」はあまりにもおかしい。ハンスは言語障害なのか?

――と思ったが、そうではない説を2つ思い付いた。

第一の説は、本書がアクセルの一人称であることに起因する不完全性だ。すなわちアイスランド語に堪能でないアクセルが拾えた部分だけが作中に登場しているに過ぎないのであって、ハンスは本当はもう少しまともにしゃべっているのではないか。

第二の説は、ジュール・ヴェルヌがアイスランド語に堪能でなかったためにその知識を超えるアイスランド語をキャラクターに発せられず、結果的にハンスはごく稀に口を開くにしても一語文しかしゃべれないキャラクターになったのではあるまいか。

私としては第二の説を採りたい。
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