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プロジェクト・サイラス・スミスBLOG

ホームページ「プロジェクト・サイラス・スミス」http://projcyrussmith.moto-nari.com/ のブログ部分です。メインのコンテンツ(翻訳したSF)自体はホームページ側にあります。ブログ側にはSFのレビューなどを投稿しています。 ※SF翻訳活動は、実用度の高い機械翻訳の台頭により意義を失ったと考えるため、2021年以降はほぼ休止しています(2021/4/14投稿を参照)。 ※ブログ内のエントリ間のハイパーリンクはまれに切れている場合がありえます。お手数ですが検索機能をご活用ください。

J.D.Beresford『The Hampdenshire Wonder』感想

https://www.gutenberg.org/ebooks/53028

『オッド・ジョン』の源流として語られる本作がProject Gutenbergにアップロードされていることには気付いていたが、読むのが困難のため長年放置していた。それが近年「yadatta+みらい翻訳」という手段を得たためようやく読んでみたものである。

現代(?)のSF読者からすると地味と言おうか物足りない段階で終わってしまうのが欠点ではあるが、触れ込み通り先駆性に優れている。読めて良かった(*1)。

本作が今に至るまで邦訳されていないのは業界の怠慢と言わざるを得ない。

*1 今さらながら改めて思うが、「原文が無料でWebで公開されている」ことと「実用性の高い機械翻訳が無料で使える」ことが組み合わさると革命的に素晴らしい。これまで「外国の文献の入手」と「外国語の文献の読解」という2つの特殊技能(および財力および伝手?)を兼ね備えた一部の専門家・特権階級にのみ許された行為が凡百のアマチュアにも居ながらにしてできるのだ。これはもうグーテンベルクによる活版印刷の発明に匹敵する第二の革命ではあるまいか。私にとっては二十年ほど遅かった感はあるが、科学技術の進歩と良き人々の利他的活動に感謝するものである。
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