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C・L・フォントネイの作品で、短く、かつ容易に理解できるものがあったので訳してみました。
なお本作に登場する"G-boat"というタームですが、フォントネイの他の作品においても散見されます。ひょっとすると同じ世界が舞台なのかもしれませんね。
尊崇するSF作家、トム・ゴドウィンの未訳短編で、興味深いものがProject Gutenbergに上げられているのに気づいたので訳してみました。
ちなみに訳者は猫派です。(2019/11/27追記)
『宇宙の漂流者』が好きすぎて、自分でも翻訳を始めてしまいました。
意図/趣旨/動機を敢えて言語化すると次の三点になります。
ゴドウィンの作品をもっと読みたくてProject Gutenbergあたりを漁るも、これと言ったものがなかったので、一周回って原点に戻りました。
SF少年文庫/SFロマン文庫版は、原文とまだそこまでしっかり読み比べたわけではないのですが、ローティーン~ミドルティーン向けという特性上多少は短縮されている(かつマイルドになっている)ようです。それはそれで良い(と言うより中上守の名訳と中山正美の名画が相まってこの翻訳物自体が独自の価値を持つ傑作となっている)のですが、やはり完全版が読みたくなるのはファンの性です。誰もやってくれなそうなので、自分でやることにしたわけです。
なお、素人が生意気を言って申しわけありませんが『宇宙の漂流者』という邦題は不正確である(※1)上に作品のテーマをぼやかしてしまっています。本作のテーマは、私が思うに「生存する (Survive)」ことです(※2)。そういう意味では平成版の『宇宙のサバイバル戦争』という題名はSurviv-という語根が入っているぶん改善されていると言えますが、これはこれで不正確かつ下品なので好きになれません。そこで、本サイトでの題名は『宇宙の生存者』としました。
※1:誰も漂流はしてないので。
※2:作中で/surviv[a-z]+/iは実に41回も使われています。
これだけの名作が、SF界で語られるのをほとんど見たことがありません。私が唯一認知している例は、昔の「本の雑誌」だったか「奇想天外」誌上における「あなたにとってのSFベスト5」みたいなアンケートで、豊田有恒が本作を挙げていたことくらいです。これはいけません。そこで、Web上で無償で読めるという最強の環境を提供することにより布教効果を狙いました。
『宇宙の漂流者』の底本は初出の"The Survivors (1958)"ですが、本サイトの底本は改題リプリントの"Space Prison (1962)"です。底本同士の内容に差異があるのかは調べが付いていません。
『宇宙の漂流者』は四部・二十四章構成になっており、章題も付いています。しかし"Space Prison (1962)"は四部であるだけで章分けされていません。"The Survivors (1958)"が章分けされているのか、SF少年文庫/SFロマン文庫によくある訳者独自の仕事なのかは分かりません。いずれにせよ、読みやすくする目的で、本サイトでは『宇宙の漂流者』に準じて章分けすることにしました。
宇宙に名高い龕灯提灯サイボーグ、ジェイムスン教授シリーズの未訳作品を一つ、訳してみました。ソースはInternet Archivesです。われわれアマチュアが居ながらにして無償でパルプSF雑誌の原本にアクセスできるとは、本当に良い時代になったものです。SFで描かれる典型的な二十一世紀の姿がまさに体現された――いや、それ以上かもしれませんね。“昔のSF雑誌が居ながらにして閲覧できる様が描かれたSF”なんて、読んだ事がありません。
さて、本作はジェイムスン教授シリーズの中では後期のもので、『音楽怪人はギャンブルが大好きの巻』の次に書かれたものです。
イラスト担当がファンタジーの雄、ハネス・ボクというのも面白いですね。このイラストは1970年代(?)のSFマガジンにて、野田昌宏の連載(SF美術館?)のジェイムスン教授の回で見た記憶があります。より新しい刊行物としては『図説ロボット』(2000年)にも載っていますね。同書によると、ジェイムスン教授のイラストをハネス・ボクが描いたのはこの一回だけとのことです。
――古き良き、大らかなジェイムスン教授ワールドをお楽しみください。
2022/12/30追記:原文 https://archive.org/details/Astonishing_Stories_v01n04_1940-08 が公開停止されていることに気付きました。検索してみたら他のAstonishing誌も大半が公開停止されていました。どうやら問題があったようです。よって、その派生物である本稿も遺憾ですが公開停止します。